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コンセント増設の渡り配線 | 安全な施工方法を解説

2025年08月12日

「あともう一つ、ここにコンセントがあったら便利なのに…」そう思ったことはありませんか?最近ではDIYでのコンセント増設も注目されていますが、中でもよく使われるのが「渡り配線」という方法です。

とはいえ、電気工事は知識や安全対策が欠かせない分野。

正しい手順を知らないと、感電や火災のリスクも。

このブログでは、渡り配線の仕組みや施工時の注意点、安全に増設するための方法をわかりやすく解説します。

コンセント増設の渡り配線 | 安全な施工方法を解説

コンセント増設の渡り配線とは?基本的な仕組みの理解

渡り配線によるコンセント増設とは、既存のコンセントから新たな配線を分岐して追加のコンセントを設置する方法です。

住宅やオフィスでコンセントの数を増やしたい場合に使われる一般的な手法で、既存の回路を活用するため大規模な工事を避けられる点が特徴です。

仕組みをしっかり理解していないと感電や火災などのリスクが発生するため、まずは基本構造を把握することが大切です。

増設前に知っておくべき法規制と注意点

コンセント増設を行う際には電気工事士法や電気設備技術基準などの関連法規の遵守が必須です。

渡り配線は無資格での作業ができないため、DIYでの施工には制限があります。

また、増設場所や既存の配線経路を確認し、負荷の偏りや過剰な電流が発生しないよう注意が必要です。

不適切な工事は感電や火災だけでなく保険適用外となる可能性もあるため、あらかじめ規制やリスクをしっかり把握しましょう。

必要な工具と材料一覧

渡り配線でコンセントを増設する際に必要な主な工具は、ワイヤーストリッパー、ペンチ、ドライバー類、テスター、電工ナイフなどです。

材料としてはVVFケーブル(規定の太さ)、追加用コンセント、ボックス、固定金具、絶縁テープ、アース線などが挙げられます。

必要な工具や材料は現場の状況により多少異なるため、事前に施工内容を確認してリストアップしておくと作業がスムーズです。

渡り配線の適切な設計ポイント

渡り配線を設計する際は、既存の回路容量を確認し、追加するコンセントの合計負荷がブレーカーの定格容量内に収まるよう計画することが重要です。

また、分岐箇所の選定や施工経路も安全性・メンテナンス性を考慮して設計します。

配線が長くなったり無理な取り回しが発生しないように事前に配線ルートを決め、必要に応じて分電盤から直接新しい回路を引く選択も検討しましょう。

施工前の安全確認と電源遮断の手順

施工前には必ず分電盤で該当する回路のブレーカーを切り、作業エリアに電気が流れていないことをテスターで確認します。

また、周囲に水気や可燃物がないかも確認し、手袋や絶縁工具などの安全装備を装着しましょう。

通電状態での作業は感電やショートの危険があるため、確実に電源遮断を行い、施工中は他の人が誤ってブレーカーを戻さないよう注意喚起も必要です。

ケーブルの選び方と太さの目安や配線の固定方法

増設に使うケーブルはVVF2.0mmや1.6mmが一般的ですが、接続するコンセントの数や総負荷によって、適切な太さを選ぶ必要があります。

規定以上の容量が流れないよう、必ず電力計算をして選定しましょう。

また、配線は壁や床に固定金具やステップルで確実に留め、たるみや余分なねじれが無いよう美しく仕上げます。

コンセント取り付け部分ではケーブルの被覆を適切に剥き、しっかり絶縁処理を施してください。

露出配線・隠蔽配線の違いとメリット・デメリット

露出配線は壁や床の表面にケーブルを這わせる方法で、作業が簡単かつ低コストですが、見た目やケーブルの損傷リスクがあります。

隠蔽配線は壁内部や床下にケーブルを通す方法で、美観に優れ保護性能も高いですが、工事が大掛かりになり費用や手間が増えます。

また隠蔽配線は施工後のメンテナンスが難しく、トラブル発生時の特定も困難な点がデメリットです。

目的や現場状況に合わせて最適な配線方法を選びましょう。

コンセントの増設位置の選び方や絶縁とアース処理の重要性

コンセントの増設位置は家電の使用頻度や動線を考慮し、利便性の高い場所を選びましょう。

また、湿気の多い場所や水回りでは漏電対策が重要となるため、絶縁処理やアース線接続を必ず施してください。

特にアース処理は感電防止の基本であり、キッチンや洗面所などでは義務付けられているケースもあります。

設置場所の環境だけでなく、使用する機器の種類も踏まえて最適な安全対策を行いましょう。

渡り配線は何カ所まで増設できる?

一般的な家庭用回路では、一つの回路につき合計4〜6個程度までのコンセント増設が推奨とされています。

それ以上増やすとブレーカー容量を越えて過負荷となり、火災のリスクや安全性の低下につながるためです。

ただし、具体的な設置数は利用する電気機器の消費電力や既存配線の太さにも左右されるため、必ず事前に計算と現場調査を行いましょう。

疑問がある場合は専門業者への相談が安全です。

業者に依頼する場合の選び方と費用

業者にコンセント増設を依頼する際は、電気工事士など有資格者が在籍しているか、工事実績や口コミを確認して選ぶことが重要です。

また、現地調査や見積もりを無料で行う業者も多いため、複数の業者に相見積もりを依頼して比較しましょう。

費用は工事規模や配線方法によっても異なりますが、一般的には1カ所あたり10,000〜30,000円程度が目安です。

追加費用や保証内容についても事前に確認しておくと安心です。

まとめ|渡り配線によるコンセント増設の全体像と安全対策

渡り配線を活用したコンセント増設は、適切な知識と安全対策を押さえることで効率的かつ安全に行えます。

本記事で解説した基本の仕組みや法規制、施工上の注意点などを踏まえて計画を進めることが大切です。

また、正しい工具や資材の選定、設計ポイントを守ることでトラブルを防げます。

不安がある場合は無理に自己施工せず、信頼できる専門業者に相談して安全な施工を実現しましょう。