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配電盤と分電盤の違いについて詳しく解説します

2023年10月07日

電気を使用する際に設置される設備の中に配電盤と分電盤があります。

もしかしたら一度は目にしたことがあるかもしれません。

特に分電盤はブレーカーや漏電遮断器として各家庭に設置されているため、「この装置なんだ」とすぐに頭に思い浮かぶ方もいるかもしれません。両者は似たような言葉のため混同しやすいのですが、まったく違うものです。

配電盤は電気を受電し分電盤に分ける機能があり、分電盤は電気を照明器具やコンセントなどに配送する役割を持っています。

この記事では配電盤と分電盤について、それぞれの設備が何なのか、役割や構成はどのように違うのか詳しく解説します。

この記事を読めば、配電盤と分電盤の違い、特に分電盤の役割について改めて深く理解できます。

もし、配電盤や分電盤を見かけたらこの記事の内容を思い出し、改めて分電盤についてよく知る機会にしてみてください。

配電盤と分電盤の違いについて詳しく解説します

配電盤とは

配電盤とは電線によって送られてきた電気を受け、電気を各分電盤に配送する役割を持ちます。

名前は配電とついていますが、実際には受電装置の一部と考えればよいでしょう。

配電盤が設置される場所はビルや工場といった大きな施設です。

配電盤は大容量の電気を受電するため、家庭用の電気とは比較にならないほどの電圧がかかります。

その電圧は6600ボルトとも言われています。

最終的に私たちが電気を使用する場合には、100ボルトから200ボルトに降下されるため、いかに受電時の電圧が高圧なのかがよくわかります。

これだけの電圧を取り扱わなければならないため、大型の施設にはそれぞれ配電盤が必要となるのです。

分電盤とは

分電盤とは配電盤によって送られてきた電気をコンセントや照明など各器具に送る装置で、最終的に電気を小分けにして使えるようにする装置のひとつです。

配電盤と違い、大型の施設の他にも、各家庭に設置されています。

みなさんのご家庭にあるブレーカーや漏電遮断器がそれにあたります。

このように、分電盤は身近に存在する装置なのです。

配電盤と分電盤の違い

配電盤と分電盤について、それぞれ解説しましたが、改めて両者の違いについて解説します。

使用目的の違い

先ほど解説したとおり、分電盤と配電盤の使用目的はまったく異なります。

つまり、配電盤は電線から送られてきた電気を分電盤に分ける受電装置としての役割を持つのに対し、分電盤は末端の器具に対して電気を分ける役割を持っています。

そのため、配電盤は工場、ビル、大型施設などに設置されています。ちなみに、一般の戸建て住宅の場合には、電線を引き込む際に変圧器をとおして電気が配送されるため、配電盤が設置されることは基本的にありません。電柱に筒形の物体が設置されているのを見かけたことがあるかもしれませんが、あれが変圧器です。

一方、分電盤に関しては、配電盤が設置されている大型の施設の他にも各家庭にも設置されています。

名前が似ているのでどちらかわかりにくい点はありますが、まずは機能としてまったく違うものだということを理解しましょう。

構成の違い

配電盤と分電盤は役割が違うため、機器の構成もまったく違います。

配電盤の場合、受電に必要な数多くの装置で構成されています。受電した電圧を各機器が使用できる電圧に下げるための数多くの装置から構成されています。

一方、分電盤は電気を小分けにすることを目的としているため、電圧を下げるといった装置は組み込まれていません。分電盤には過電流を防ぐためのブレーカーや漏電遮断器があります。もしかしたら、電気の使い過ぎでブレーカーが落ちたという経験をしたことがあるかもしれません。これはまさに分電盤の機能のひとつです。

動力盤と制御盤について

配電盤や分電盤と似たような言葉で動力盤と制御盤というものがあります。

ここでは、動力盤と制御盤について簡単にご紹介し、その違いについて説明します。

動力盤

ビル、工場、大型施設のポンプやファンなどに電気を供給するのが動力盤です。

そのため、分電盤と大きな違いはないものの、設置場所や役割によって動力盤と分電盤を使い分けるケースがあります。

制御盤

工場の機械を制御するために使用されるのが制御盤です。

電気を通電する目的ではなく、機械を制御するための装置のため役割が異なります。

スイッチ、インバーター、ブレーカーなど機械の制御に必要な部品が数多く詰め込まれています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ここまで配電盤と分電盤の違いについて解説しました。改めて整理すると、ポイントは以下のとおりです。

・配電盤は電圧を下げ各分電盤に電気を送るための設備

・分電盤は電気を使用する機器のために電気を小分けする設備

・分電盤には過電流に対応するためのブレーカーや漏電遮断器がある

このように、そもそもの役割がまったく違います。

配電盤は電線より流れてきた電気を受電する役割があるため、大容量の電気を取り扱う必要があり、その電圧も非常に高圧であることから複雑な構成がとられています。

一方、分電盤は同じ電気を扱うものの、電気を末端に送ることを目的としているため作りはいささかシンプルです。

とはいうものの、日常生活を送るうえでは、どちらの設備も必要不可欠です。

配電盤と分電盤の違いを理解し、もし、配電盤や分電盤を見かけたときには、「ここで使われているのか」と意識を向け、さらに電気について深く調べてみることをおすすめします。